関東大震災の翌月に婦人之友社から出版された、武井武雄と村山知義が共同で描いた珍しい絵本「東京ノ地震ト火事」。
震災直後でインクがなく、赤と紺の二色刷りですが、破壊された街の被害や復興を、二人の童画のパイオニアが丁寧な挿絵で伝えています。 武井武雄の造語「イルフ」(“古い”の逆さ言葉)が美術館の館名になっている、長野県岡谷市の「イルフ童画館」では、「村山知義の童画展」を計画中。 年末に開催予定です。 詳細がわかりましたら、またこのブログでもお知らせします。 #
by gem-art
| 2006-09-12 16:30
| 村山知義
村山知義が昭和4年に描いた未完成の童画“なくなったあかいようふく”。
ギャラリーТОМに残されている、知義の備忘録(日記)によると、1929年の7月8日に「ナクナッタ赤イヨウフク、完成」とありますが、出版されることなく、その後ながいあいだ原画は、弥生美術館に保管されていました。 おそらく、村山籌子の童話の挿絵として描かれたものと思いますが、文章は見つかっておらず、長男・亜土が再話を試みて、2002年に福音館書店より発行され、70年ぶりに陽の目をみることになったもの。 ギャラリーТОМの副館長でもある岩崎清が装幀を担当。原画の周囲に亀甲模様を配するなど、かなり凝った装幀ですが、原画が未完成で彩色されていない絵もあり、どちらかというと、一部の絵本ファン向けの本になっています。 と、いうこともあり、この本は増刷されないことになりました。残念。。。 でも、まだまだ書店で購入することはできると思います。 #
by gem-art
| 2006-09-12 15:07
| 村山知義
ジェム・アートでは、本日より、濱田能生の美しい硝子器を紹介しています。 3日前に、濱田さんの紹介者でもある、日本民藝館の田中陽子さんが、ふらっとジェムに寄られ、見事なディスプレイをしてくれました。 都会の喧騒を忘れさせる、珠玉の作品たち。 ぜひお立ち寄りください。 #
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| 2006-09-09 13:21
| 濱田能生
ギャラリーТОМの3階スペースで、掛井五郎の作品があばれています。 異貌の生き物たちの間を、恐る恐る歩いていくと、彼らはとても愛嬌があって、いつしか親しい仲になってしまう。 観ているこちらも、ジャングル・ブックの狼に育てられた少年のような気分に。 この木は、作品制作のために切り倒されたのではなく、台風で倒れてしまった大木に、鈴木さんが命を吹き込んだもの。 左は、編まれた絨毯のような作品。こちらも一本の木から彫りだされています。 鈴木さんは、美術界の動向には背を向け、青森を拠点にして、ゆっくりともくもくと木に向かい続けている彫刻家です。 対照的な二人の彫刻家の「木」をテーマにした展覧会が、本日よりスタートしました。 ギャラリーТОМで10月9日まで。 #
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| 2006-09-09 12:31
| 掛井五郎
濱田能生の「瑠璃硝子口透花瓶」。 ギャラリーТОМのテラスで撮影してみましたが、繊細な青色がなかなかうまく写真で表現できません。 花瓶に水を入れると、微妙に光の透過が変化して、周囲の景色が美しく溶け込んでいます。 右の写真は、先日、濱田さんの工房にうかがったときに、ポケットからヒョイと取り出して私にくださったお猪口。 私は毎晩、これでお酒をいただいています。 父・濱田庄司の絵付けを彷彿とさせる、清々しい模様がさりげなく見込みに。 ジェム・アートでは、9月9日から10月22日まで、「濱田能生の仕事」と題したイベントで、これらの作品をご紹介します。 ぜひお立ち寄りください。 #
by gem-art
| 2006-09-03 12:20
| 濱田能生
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